
バネの製作にアバウトはありません。バネは生きています。
故にどんな製品も決してアバウトではなく完璧なのです。熟練職人のさやけきなる技はワイヤーに命を吹き込みます。
最新鋭の機械技術など足許にも及びません。
バネを愛する製作者の魂のみぞ知る生みの苦しみ。そこに生まれる息を呑むような美しさには『佳』と『麗』の文字が相応しい。
それが何故美しいのかを計算して生み出すことができる技こそ、富士発条アーカイブでは
『認識予定調和』と呼んでいます。

例えば画像のような旋盤式コイリング機も、独自のメインテナンスメソッドで完全管理され、お陰さまで毎日稼動いたしております。
NCマシンが当たり前の昨今、こういった小ロット生産の職人体制も、管理者、技術者、作業補佐と3人体制で常に均一した技術の伝承に努めています。
また当社では、手作り部門の製品は
『作品』と呼んでいます。その違いは一目瞭然で、NCマシンで高速生産されたものとは全く異なり、言葉では言い表せない程に繊細かつ重厚なものです。是非、技術者渾身の『作品』を一度お試しください。

こういった小径でピッチの粗いものは熟練の技術を要し、全ての要素が完璧のときにだけ完成する。

目にも留まらぬ速さで寸法を測る。寸分たる狂いも逃さない針の穴を通す作業である

『捻る』『捩じる』実に良くできた言の葉である。手偏(てへん)なのがまた嬉しい。そしてつくりが『念』と『戻』であるのもまた面白い。
話が反れているようだが、手巻きとは巻く瞬間たえず手先に念を入れ、そして最後に手で戻すのである。
押しバネ・引きバネの製作は捻り(捩じり)ながら曲げるという、いたってシンプルな作業であるが、
しかしこれがバネ世界の最頂技術であり、技術者誰しもが到達したい垂涎の領域である。またこれを後世に輪廻することこそが、バネメーカーにおける守護神本来の務めとなっている。
1,000本以上にも及ぶ芯金や数百種類の治具工具。あたかも千手観音であるがごとし手捌きは一見の価値がある。
これらを総じて、富士発条アーカイブでは『桃源曼陀羅郷』と呼んでいる。

これらの工具が作れるようになれば一人前!
若き職人談
『師匠だけには絶対に逆らわない』
がコツだそうです。

これがないとバネは巻けない。同じ太さでも製作時のフィーリングが異なるものがあり、
出来が変わってしまう。人間以上にわがままな管理が大変なものだ。

情熱と熟練の技、空間を鮮やかに舞う蝶をイメージさせる線細工。常に新旧のスタイルと技術を集積させ、切磋琢磨している現場です。
お客様と一体になって、マイスターが新しい感動を生み出す究極の創作テクニックは、もはや芸術品そのものです。
マイスター曰く
『材料の持つ自然の力を素直に受け止め、決して逆らわない』
若き精鋭たちもその教えを念頭に、300種類にも及ぶオリジナル治具等の工具にて創作努力を惜しみません。
お客様は、ただバネを設計する楽しさを、存分に満喫していただくだけでいいのです。

整然と管理された治具にはやはり『匠』の文字が相応しい。 錆は錆であって錆に在らず・・・錆には職人の血と汗の魂がこもっているのです。

最近では不適合海外製品の駆け込み寺的に、ご注文をいただくこともしばしば。
もちろんコストと品質のバランスは絶対崩しません。

当社の自慢の一つ、400ℓバレル研磨機だ。製品表面に光沢を与えるのは勿論、面取りを主に量産稼動中だ。冬は特に作業者も辛く、工場内過酷部門となっている。 研磨技術はさることながら、水を使用する事で、実は排水に対するコンタミネーション撲滅や夜間運転中の周囲騒音対策の方が難しく、こちらを疎かにするとISOも台無しだ。洗浄も地球環境と作業環境を同時に満たす、水溶性洗浄液を使用した純水洗浄を取り入れるなど、担当者は毎日試行錯誤と学習の気持ちを忘れず業務にあたっている。 自社製品は勿論、加工のみで注文をいただいているお客様もあり、金属以外にプラスチック製品などのバリ取りも可能です。 他に水平乾式と可傾式バレル研磨機も常備し、小ロットの御注文にも対応しております。

メディアと製品を磁気によってパーフェクトに選別。また瞬間脱磁機で僅かな帯磁も消し去る優れものだ。

排水を完璧に分離させて水は再利用、残留物は3μのフィルターで逃さず産廃へ。最近では農業肥料に使えるという話もある。

刻々と変化する音。耳を澄ませば砥石とバネが語りかけてくる。
互いに削られて減っていくもの同士を暖かくそして厳しく見つめる職人の眼がそこにある。
まさしく切磋琢磨の“磨”である。
製品によって同じ作業設定は無いに等しく、砥石の種類、回転速度、研削時間すべて熟練者の直感力と経験にまかせられ、この部署ほど機械と人間が一心同体にならなければならないのも職人技の見せどころだ。
決して華やかではない部署だが、
バネ製作の重要な最後を司り、自由長、密着長、荷重、直角度と確認要求される項目はバネの生命に繋がっている。
また千差万別の製品に対し、砥石選択や研磨盤を製作用意しなければならない。
環境に対しても騒音、塵肺とクリアせねばならない箇所も多く、設備されていないバネメーカーも多いと聞きます。
富士発条では研磨50年以上の歴史をもって、外径3mm〜120mmまでのバネを研磨可能としています。
そして、あらゆる大きさの研磨盤を管理所有し、もしお客様の製品に合ったものがなくても、
自社工場にて研磨盤を即作成、スピード納品に努めています。

数え切れない研磨盤。自分が生まれる前から存在しているものもあり、 バネとは永久に無くならない物と思ってしまう。

小ロットスピード生産には、手差しが速い。素人では目が回って気分が悪くなる人が多いとか。

この技術はまさしく刀鍛冶そのものです。疲労強度、耐久性、磨耗性、衝撃性、応力腐食割れ、全てにおいて効果があり同時に面取りも出来てしまう技術です。当社では常備配置し太物の製品に応用しています。

極小スペースにおいて、最大荷重が欲しいお客様には、バネ座巻きを極限にまで研削し密着ギリギリで使えるようにしたものです。密着寸前では荷重計算式に若干の誤差が生じますので、設計に注意が必要です。