今回はステンレス材のパイオニア、日本精線株式会社様においでいただき、ステンレスについての疑問にお答えいただきました。 前川課長様、杉本係長様、大変お忙しい中こちらのオファーに早速御足労いただき感謝感激です。 富士発条として、また質問している自分としてマテリアルに対する知識がひろがったことに大変な有意義さを感じました。
●内容(間違い、勘違い箇所は御指摘願います)
字の通り「ステンレス鋼」と呼びますのでハガネです。但しクロムを11%以上含み且つ鉄が50%以上に限ります。
ステンレスの中のクロムが酸素と自然結合して表面に不動態皮膜を作っているためです。厚みは0.005μm=5/1,000,000mmくらいです。 この自然皮膜は強いのですが万全ではないため、いったん取り去り新たに不動態メッキを施せば更に錆びにくくなります。
不動態皮膜が剥がれれば申し訳ありませんが錆びます。ですが、十分に酸素のあるところでは、瞬時に皮膜が形成されます。
空気に触れるほうが不動態皮膜のためにはよいことです。が、埃が付着するのはよくありませんね。保管状況によっては皮膜が破壊され錆びが発生するときもありますので、包装保管をお勧めします。
加工硬化とともに伸線と反対方向への残留応力が発生します。
何回かに段階を経て細くしていきます。伸線すると加工硬化するので熱をかけて柔らかくし、また伸線の繰り返しです。
バネ成形時の残留応力とともに抜けます。
針金と違ってもともと硬い材質ではありますが、伸線時に加工硬化しているだけです。まったくの生です。
異種金属接触腐食といって、金属が持つ電位の違いにより電気が発生しイオン化(腐食)となります。
せっかく逆方向の残留応力をバネに持たせて強くなっているのに、テンパすると元に戻ってしまいます。
加工時の金属の歪ですから、手を加えない限りずっと残っています。
最近にわかに注目されています。はっきりとは証明されていませんが、可能性はあります。材料をひっくりかえして反対から加工したら、不良率が減ったという事例もあります。
NOです。ニッケルが多く(50%以上)含まれており、ニッケル合金と呼ばれています。
NAS604PHというコバルト40%のものがあります。すべてにおいてハステロイの性能を上回る優れものです。
ニッケルメッキが外観、質感、滑りに貢献しているためです。低d/Dコイリングには最適です。
析出硬化元素のアルミを含有させることで、一定の熱処理によりNi−Al金属化合物が析出して、材料が硬化するという働きがあります。
まだまだ沢山ありますが、知っているようで知らなかった世界を垣間見ることができ、非常に楽しいひとときをありがとうございました。これからもいただきました貴重な知識を後輩に受け継ぎ、業界の繁栄に努めてまいります。 前川課長様、杉本係長様、これからも末長くよろしくお願いいたします。