私たちの生活は日々いろいろな金属に恩恵を受けています。
金属は硬いというイメージが一般的ですが、紙のようなフィルム状のものもありますし、髪の毛よりも細いワイヤー、水銀などは液体です。
このように沢山の金属の中で、主に当社では硬鋼線を使ったバネを生産しています。金属線を硬いまま製品にするのではなく(例外もあります)、
お客様のご要望に沿って規則性を持たせ、あらゆる空間に曲げ、捻じり、切断加工します。
硬い材料が元に戻る特性を利用した、この「しなやか加工」が私たちの世界に誇る技術です。
富士発条のバネは世界中で使われていますが、完成製品の内部に組み込まれているのでなかなか見ることができません。
もし内部を見る機会がございましたら、そこには私たちの汗と涙の結晶が沢山詰め込まれていることでしょう。
製品のデザインを追求すれば追求するほど、バネは隠されてしまいます。どんどんコンパクト化されてしまうのです。
ものが動きそしてもとに戻るためには必ずバネの技術が必要です。
そして最適のフィーリングで、動く戻るを設計加工しなければいけません。
バネとは永久に無くならないものなのです。そんな生業の御縁に日々感謝しなくてはなりません。
そして何よりも大事なのは、製品を「創る人間こそがしなやかでないといけない」ということです。
柔軟なこころで物事を真正面からだけで捉えるのではなく、パートナーと共に常に多方向から360度の視野を持つことが枢要と考えています。
そして何事にも耐え忍ぶ人間は素晴らしいですが、耐えられなくなって挫けても倒れても、
バネのように元に戻れる心を持った人材育成を目指しています。
柳に風「しなやか」=「強い」なのです。
ズバリ、富士発条とは仕事のレシピを学ぶところではなく、こころを磨くところなのです。
●座右の銘としたい言葉があります。
あきらめない。あきらめたら、そこで終わりだ。
泣かない。泣いたら、人に同情されるだけだ。泣きたくなったら、笑う。
うらまない。人と自分をくらべない。どんなにちいさくてもいい。自分の幸福の形を探そう。
切れない。怒りを人にむけてはいけない。今の自分の生活は、すべて自分に責任がある。
●今後とも皆様のご指導、ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。
人の振り見て我が振り直せ・・・初心に戻ってよく考える言葉です。
自分で勝手に解釈しているのですが、他人様の振りで自分を躾ることだと思っています。
もともと人間は、自分の性格を直したり悪いくせを矯正することは難しいものです。自分に忠告など、なかなかスンナリとはいきません。
しかし一つずつ少しずつ自分自身を躾けることによって、以心伝心自然とまわりも躾けれることに気づきました。
叱られるからやるという躾はどうかと思います。大嫌いです。
夫婦関係にたとえるとうまくいっている夫婦関係は、相互に助け合うことはもちろんですが、それ以外に、「相方の欠点をとがめ合うことをしない」ということがあります。
許し合って、まず自分を変えていくことによって円満に岸まで流れ着いていくのです。
一緒に共同生活をして、協同の仕事をしているのであるから、なんでも気付いたことをドンドン注意したらよいのではないかという考えを持っている人も少なくありません。
部下の指導について、厳しく注意を与え、厳しく指導していれば、かならず部下はついてくると錯覚している上司がいます。しかし、現実には、従順に心服しているのではないことも少なくありません。
「仏滅後、法迦葉に付し、心を以て心に伝う」を座右の銘に上善は水のごとしと自然の摂理に従い、穏やかに自分を見つめたい今日この頃です。